焼き鳥の店だとは知らずに

焼き鳥の店だとは知らずに

別に焼き鳥に興味があったわけではない。飲食店の仕事がしたくて、求人誌を見ていたとき、そこで働くだけではなく、独立するためのノウハウも指導していくと言うコメントを読んだとき、この店しかないと思い、即面接を決断した。電話をして、面接の日取りを決め、いざ、面接当日、店を訪れたとき、私はそこが、焼き鳥専門店だと言うことに、初めて気づいた。気づいた瞬間、私は間違えたと焦った。しかし、帰るわけにはいかない。もう目の前には、面接をしてくれる社長がいるのだから。私の知っているような焼き鳥の店とは違い、ちょっとジャズが入ったような、お洒落なお店で、社長本人も、店に入って働くと言う。その社長の風貌も、お洒落な感じで、髪を長くし、ひとつに束ね、髭がある、ちょっと前に流行った、ちょい悪おやじのような感じだった。女性スタッフが欲しいと、ずっと願っていたけれど、焼き鳥の店には、なかなか女性は面接に来ないので、私は貴重な存在だと言われ、すでに好印象のようだった。そして、面接から世間話のような感じになってしまったとき、第一印象で決めたと突然言われ、面接の合格をもらってしまった。それなのに断るわけにもいかない。焼き鳥の店だとは知りませんでした。と説明するわけにもいかず、私はそこで働くことになってしまった。こんなことって、実際あるのかと、自分で自分に問いかけながら、私の焼き鳥ライフが始まった。さすがに、女性スタッフが今までいなかったと言うことで、まかないは、とにかく量が多かった。

新着情報

おすすめサイト

関連情報

Copyright (C) 焼き鳥の店だとは知らずに All Rights Reserved.